本文へスキップ

株式会社アイテックスは㈱市川精機の販売会社です。

TEL. 0428-21-0311

〒198-0022 東京都青梅市藤橋3-9-15

ブログ特別編 非常用電源を作る

  ブログ特別編 目次
         scene1  買っちゃいました。
         scene2  オフグリッドインバーター
         scene3  LVX6048の出力
         scene4  LVX6048の検証
         scene5  V2Hとは?
         scene6  V2Hの悪口?
         scene7  日産ノートeパワーでは?
         scene8  V2Lと寄り道
         scene9  ノートeパワーが見つかりました
         scene10 高圧電源の取出しテスト
         scene11 最後の仕上げ
         scene12 おわりに (最終回)
         

非常用電源を作る scene1   買っちゃいました。

いつも何かやっていないと落ち着かない性分で、コロナでの自粛生活で財布が少し膨らんだ事もあって、今度は台湾にあるMPP Solar社製のオフグリッドインバーターと言うものを買ってしまいました。
少し納期が掛かるようですがそのうち届くと思うので、それまでの間にマニュアルを見たりして色々対策を練っておきます。
これは緊急時などに使う非常用電源を作る為のもので、想定している出力は6kwと大きくこれは普通の住宅1軒分を十分に賄えるほどの大きな電力です。
作るからにはそれなりに実用的な物でBCP(事業継続計画)を意識して対応可能な仕様とします。

さて、近頃良く耳にするこのBCPですが中小企業庁の指針によると、『企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。』 と言う様な事で財務や人材の確保などをはじめとして多くの課題が有りますが、色々有るその中で"電源の確保"という分野で我々でも何か役に立つものをと考えています。

最近日本列島全体で地震が多発しており、首都圏直下型地震や南海トラフ地震、富士山の噴火などが危惧され、また、先日の爆弾低気圧によりあちこちで停電が発生しております。
少し前では10年前の東日本大震災、2年前の台風15号による千葉の大停電など直近でも大きな災害に常に見舞われる日本列島です。
でもこの災害大国?に我々は住んでいることは確かで、何らかの準備は必要と思いつつ『のど元過ぎれば・・・』のことわざの如く、防災の日などでは意識をあらたにしますが少し時が経つと忘れてしまいます。
それも当然で、いつも明日災害が起るかも? なんて日々考えて生活する訳には行かないのも事実ですよね。
自分ひとりの力でどうなるものでも有りませんが、でも何か自分にも出来る事が無いか?と言う思いから、個人的な趣味や興味から作ったものが、イザと言う時に使えたらといつも考えています。
これはちょうど5年前のプログにある、興味本位で地元用にと作った除雪機と全く同じ発想で、手間・暇・お金を掛けて作っても、これが活躍するような事が無い事が一番で、自己満足で終われば最高ですね。

    

と言う事で本番を想定しての非常用電源と言うからにはそれなりの出力や信頼性が求められますが、そうは言っても文字通り非常時の為の物なので言ってみれば保険のようなもの?で、イザと言う時の為には無くては困るんですが設置や維持に普段からお金や手間があまり掛かるのはどうかと思われます。
今回の計画はこの辺に重点を置き、非常用電源として機能は当然の事ですが、設置や維持に掛かる費用や手間をどけだけ小さく出来て、イザと言う時に最大限の効果が発揮できるものである事です。
保険屋のうたい文句ではありませんが、小さい保険料で大きい保障を、と言う事です。
公共施設や会社であればある程度の予算を付けて、非常用の電源設備を設けますが中小企業や個人商店、個人宅など規模の小さい所となると、有っても5~600W程度のエンジン発電機くらいではないかと思いますがこの発電機、しっかり面度を見ていないと機械物なのでイザ停電と言う時にエンジンが掛からない事も。
ネット通販などには車のシガーソケットに繋いでAC100Vが取り出せる機器も安くありますが、スマホの充電やオートキャンプで使う程度のものではとてもBCPには程遠く、無論無いよりも良いですがここではさらに上を目指そうと思います。
そんな訳で以前にもしっかりした非常用電源を作ろうとして、断念していた計画に再度挑戦する事にした訳です。

当時、色々探しても大きな出力のインバーターは無くソーラー発電用のパワコンが何とか使えないか?と考え、これをオフグリッドインバーターに出来ないか?との思い付きから色々調べましたが、国内で使われているインバーターはほとんどオングリッドタイプで、電力送電網に繋がないと出力されず何とかだまして系統連携したように見せかけて、定格いっぱい出力させようとあれこれやりましたが中々言う事を聞いてくれず結局はダメでした。
この手のパワコンが上手く使えると中古なら5.5Kwタイプが5~6万位で手に入るので良いのですが無理で、一方、自立運転ならオフグリッドでも使えますが単相コンセントから1.5kw取出せるだけで、系統連携させないと定格出力の5.5kwは出せない為に一度は諦めていました。

この1.5kwと言う値ですがチョット気になる事が有り、それはPHVやPHEVなどを始めAC100Vコンセントが付いた車が有り、この最大出力が1.5kwとされているようです。
これは何かのルールによるものなのか?、それともたまたま同じなのか気になるところです。

考えてみれば日本の場合電力事情は良くソーラーシステムで発電した電力は、全量売電か自家消費して残った電力を売ると言った使い方が多く、その為には送電網に接続させて使うオングリット型がメインとなるのは当然の事ですね。
国内で完全にオフグリッドで使っている例はネットなどでも散見されますが、ほとんどが趣味の領域でやはり海外製のオフグリッドタイプを使用しているようです。

そんな訳で海外にオフグリッドタイプの良いインバーターが有る事を知り、いろいろ調べてこの製品にたどり着き、以前の夢をもう一度と始めてしまいました。

条件はPV入力(ソーラーパネルから)350V以上、出力は単相3線式100V/200V、出力は6kw程度のものが必要で、国内ではほとんど無く稀に特注扱いで作っている物も有るようですが、目の玉が飛び出る程の価格になると思います。
なぜ入力の電力元を低圧のバッテリーに求めないでPV端子に接続する高電圧にこだわるのか? 又、この高電圧の電力元はどこから持ってくるのか? 解体したEV用の高電圧のバッテリーを使うとしたら充電回路は? 等々疑問は有ると思いますがそこは順を追ってお話していきます。

今回のこの製品は円安もあり送料込みで15万程度と、けして安くは無いですがこれだけのスペックなら仕方ないでしょう。
尚、これからこの計画に基づいて試行錯誤しながら様々な作業を進めて行きますが、たとえ道楽とは言えこの作業には高電圧や高電流を扱う事で危険を伴う部分もあり、又、電気工事士などの資格を必要とする場合もある事から、有資格者の方々にアドバイスやお手伝いを頂き安全に配慮した作業を行います。

     

    
 
                 ①