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ブログ特別編 非常用電源を作る

非常用電源を作る scene8    V2Lと寄り道

今回の計画では今迄に無いモノを作ると言う事である為に、色々な法律や規制に抵触してしまう部分もあるかと思いますが、あくまでも技術的興味からの実験、検証と考えて進めます。

私は日産びいきで他社の事はあまり良く知りませんが、PHEVとかPHVと言われるEVとHVの中間の様なカテゴリーの車があり、eパワー以外のHVやPHV、PHEVはエンジンの動力で機械的に駆動しても走りますが、エンジンで発電機を廻してバッテリーに充電するだけ」と言う機能が有るのか勉強不足でよく判りませんが、社用車のフーガのハイブリッドは停止中でもエンジンが起動して、バッテリーを充電しているので多分同じ様な構造と思います。
PHVやPHEVはHVの電池を少し大きくしたモノで、外部からも電池に充電する事ができて電気で走り、無くなったらエンジンを使うと言うモノです。
このPHEVにV2Hを繋いだ場合エンジンが有るので、連続して電力を供給出来ると思いきや、V2Hを繋いだ状態ではエンジンを掛けてはイカン?と言う事が有るらしいです。
(これは調べましたがどの様な法律などの根拠に基づくものなのか、それともメーカーの自主規制の様なものなのかは良く判りませんでした。)
つまり、災害時などにこれで電力を供給しようとした場合、電池が減ってきて電力を供給出来なくなったら、一度V2Hコネクタを外してエンジンを掛けて充電させ、充電が終わったら再度V2Hに接続させるとの事の様です。
つまらないルールがそうしているのだと思いますが、多分V2Hのケーブルを繋いだままエンジンを掛けさせると、間違えて走り出してしまう事が起こるのでは?と言う心配からと思いますが、こんな事はインターロックをしっかり掛ければ技術的には全く問題無く、安全に使えると思いますがお役所はどうも事なかれ主義で、融通が効かず危ない事はさせない方向に理由を考えますが、民間はそれを何とか安全に実践できる方法を考えます。
でも、電池が無くなったらそれまでとなってしまう、リーフの様なEVより災害時などに使う非常用電源としたら、発電出来る機能を持っているPHVやPHEVのほうが優れていると思います。

このルールに今回の計画は完全に抵触してしまいますが、この計画はV2Hでは無くV2L(Vehicle to Load)と言うカテゴリーになるようで、これは車から電力を取出すと言う分野で、最近1.5kw程度の電力が出せる車が有りますが、この様なものがそれに相当するのかと思います。
scene6でV2H機材として紹介したPower Moverと言うニチコンの可搬式の機材ですが、どうもこれは正確にはV2Lに相当するようです。
また、キャンピングカーなどはエンジンを掛けてバッテリーを充電して電力を供給しておりこれもV2Lになると思い、それならエンジンを掛けてもOKと言う言い訳です。 (多分この辺のルールはまだ無いのかも?)
このV2Lと言う規格ですがAC電源に変換する為のインバーターを車載式とするのか? それともアダプター形式で車外で接続するのか? この辺の定義も良く判りません。
色々な言い訳をして勝手に良い方に解釈して物事を進めてしまうズルい性格で、今回は実験・検証の範囲でやる事なので余り気にしないで進めます。



子供の頃から、褒められる様な事は面白く無く、やってはいけないと言われる事ほど面白いものは無い。とつくづく思っておりましたがまさにこの様な事がそれです。
しかし、実際にはたとえ実験・検証であっても万が一の事故などが有ってはならず、電力を出力するモードではシフトレバーをPに固定して車を動かせなくする必要が有りますね。
確かに、リーフの場合も電源を切らないと充電ポートのフタが開かず、充電コネクタが繋がっている時はアクセサリーモードでナビやテレビ、エアコンなどは使えますが、走行モードにはシフト出来ないように安全策は講じられています。
     
安全策と言えば余談ですが、良くパーキングブレーキを掛けずに車を降りた為に動き出してしまうと言う事がありますが、この様なポカミスは誰にも起こりうる事で、例えばこの様な場合車が停車中もしくは極低速の時にドアが開くか、着座センサーが認識出来なくなった時にブレーキを掛けたり、シフトをPにすればポカミスによる事故は防げる思いますが、この様な分野はあまりルール化されずにどうでも良い様な事や、 技術でカバーできる事が認められない様ななんともトンチンカンな決まりだと感じます。
でも、批判ばかりで無く色々考えて進化してきた物もあり、今の車はブレーキを踏んでシフトがPやNに無いとエンジンをかける事ができず、 PからRやDにシフトする時もブレーキを踏んでいないと動かない様な仕組みになっています。
しかし、昔の車はこれらの操作にブレーキを踏んでいる必要は無く、事故が多くて今の様に改善された経緯が有ります。
その事故とは、エンジンを掛けて発進する時に急にバックして、立体駐車場などから転落してしまう事故が多く起き、これは確かに操作ミスですが装置(車)側にもミスを防ぐ様になっていませんでした。
この事故はまず、ブレーキを踏まずにエンジンを掛け、そのままシフトをDに入れようとした時に起きています。
当時の車はP-R-N-D-Lの順に並んでいて、PからDに入れるにはRとNを通過しますが、この時エンジンが掛かってすぐは冷えているので自動チョークが効いていて回転数が上がった状態にあり、特にゆっくりシフトを動かすとRを通過する時に急にバックし、 ビックリして慌ててブレーキを踏もうとして間違えてアクセルを思い切って踏んでしまい、結果車はバックで急加速してしまうと言うものです。



この時には3つの悪い条件が重なっており、1「ブレーキを踏んでいない。」2「エンジンが高回転の時。」3「ゆっくりシフトした時。」です。
この3つの中のブレーキを踏んでさえいれば防げる事故で、ブレーキを踏んでいればゆっくりシフトしてRで車は動かず、万一ブレーキが弱くて車が動いても、ブレーキに足が乗っているのでそのまま踏み込めば止まります。
普通、右足はブレーキかアクセルのどちらかを操作しているので、それぞれを起点として見なくても感覚で位置が分かりますが、どちらも踏まずに右足を床に置いていた場合、とっさにブレーキを踏もうとしても起点があいまいな為に、上手くブレーキを踏めるかどうかは疑問です。
まして、この様な場合はパニックを起こし車を止めようと力一杯ブレーキを踏みますが、これが間違えてアクセルだっら?そう考えるだけでも恐ろしいです。
しかし、この手の踏み間違えは今でも多く、その頃事故を起こした人は異口同音に『ブレーキを力いっぱい踏んだけど車はドンドン加速した。』と、当時若かった我々は仲間とそんなにパワーの有る車に乗ってみたいものだ。なんて言ったものでした。
今ではブレーキを踏んでいないとエンジンも掛からずシフトも動きません。 また、踏み間違え防止装置を搭載した車も販売されてきております。

今度は右足を床に置いたままと言う話ですが、寄り道ついでにもう一つ。
最近の自動運転アシスト機能ですが、これもこの機能を使っている時は右足は床に置いたままです。
私もリーフでこの機能を使う事は有りますが、合流などで急に前に割り込まれた時などはシステムが感知して減速するようですが、やはり咄嗟にブレーキに足が行ってしまいますが、この様なとき少なからず不安は有ります。
昔からあるクルーズコントロールなどもこの様な不安から使った事は無かったですが、もっとも当時のシステムはタダ速度を一定に保つだけの機能で、狭くて車の多い日本では使う機会も無かった訳ですが。

法律やルールの話からとんでも無い寄道をしてしまいましたが、頼んで置いたノートeパワーが見つかったようなので話を元に戻しましょう。

     
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